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リアクティブプロセッシング

リアクティブプロセッシング(RP:反応押出)とは、二軸押出機等の押出機内で、溶融混練とともに化学反応を行い、熱可塑性ポリマーに機能性を付与することのできる、高い生産性と低コストの両立が可能な、第三世代に該当する新しいコンパウンド技術です。

種々のメリットを有するため、当社ではこれら技術開発に力を入れております。

リアクティブプロセッシングの概要

上図のリアクティブプロセッシングの概要に示すように、ベースとなる熱可塑性ポリマーに用途・目的に応じて、機能性を付与させる官能性モノマー、化学反応を逐次開始する反応改質剤、その他必要に応じて触媒等を添加し、適切な化学反応条件(温度、反応完結時間)を適用すれば、元の熱可塑性ポリマーには無い機能性を付与することが可能となります。

高機能化のイメージとしては、下記のようなものがあります。

高機能化イメージ

ナノコンパウンド・ナノアロイ

近年、カーボンナノチューブ、フラーレン、ケイ酸塩、コロイダルシリカ等のナノマテリアルが急速に発展を遂げています。これらナノテク材料がプラスチック産業に及ぼす影響には計り知れないものがあります。

プラスチック材料とナノテク材料の複合化によるメリットは、ポリマーに対し、耐熱性、高剛性、高弾性率、耐光性、導電性、高熱伝導性、耐スクラッチ性、透明性など数多くの機能を付与できることにあります。

しかしながら、これら超超微粒子をポリマー中に均一に分散、固着化させるには高いコンパウンディング技術が必要となります。

ナノテクノロジーの分類

ナノコンパウンドのイメージ図

ナノコンパウンディングは、複数のアミノ基やエポキシ基を有する多官能型シランカップリング剤を介在して行われます。まず、シランカップリング剤のアルコキシ基が加水分解してシラノール基を生成し、このシラノール基がナノフィラー等の無機物表面にある水酸基と水素結合を介して表面に移行した後、脱水縮合反応を経て無機物表面と強固な化学結合を生成します。

次に、シランカップリング剤のもう一方の官能基であるアミノ基やエポキシ基がポリマー中の官能基と化学結合してポリマーとナノフィラーが一体化します。ナノコンパウンディングで重要なポイントは、ポリマーの種類に応じてどのような官能基を有するシランカップリング剤を設定することと、加工時の水分率(湿度)の影響、反応時間、系の温度をコントロールすることにあります。

ナノアロイのイメージ図

ナノアロイは、ナノコンパウンディングの応用になります。ポリマーAとポリマーBとのナノフィラーを介しての化学結合、相容化は、同じく多官能型シランカップリング剤を用いて行われます。この時、互いに競合しない官能基をもつシランカップリング剤では複数を使用し、競合する官能基どうしの系では特殊な官能基含有モノマーを規定量添加します。

ナノアロイの可能性は、ポリマーどうしが分子レベル(ナノレベル)で相容化させることができるので、たとえば、A+B=A'orB'になるのではなく、A+B=Cといったように全く異質の新規ポリマーを生み出せることにあります。

一般的なポリマーアロイ・ナノポリマーアロイ

インテグラルコンパウディングの概要

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